【 解 説 】 |
ハヴァイイでは、空を低い方から高い方へ、いくつかの層に分けて考えていました。マロ(19世紀の代表的ハヴァイイ学者)は、全てカヒキ(kahiki)で始まる層の名前を紹介しています。(Malo,1951,ただし原文は1839年)
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カヒキ・モエ
(Kahiki-moe) |
……「伏したカヒキ」の意。地平線・水平線の下、地球の表面。 |
カヒキ・クー
(Kahiki-ku) |
……「立ったカヒキ」の意。地平線の真上。 |
カヒキ・カ・パパ・ヌウ
(Kahiki-ka-papa-nu'u) |
……「高層のカヒキ」の意。カヒキ・クーの上。 |
カヒキ・カ・パパ・ラニ
(Kahiki-ka-papa-lani) |
……「天空の(神の)層のカヒキ」の意。天頂よりは下の上空。 |
カヒキ・カプ・イ・ホーラニ・ケ・クイナ
(Kahiki-kapu-i-Holani-ke-kuina) |
……「接する場所ホーラニの聖なるカヒキ」の意。天頂。
ホーラニは神話上の地名(「高天原」みたいなもの?)。 |
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また、空といえば人目をひくのは雲ですが、とりわけハヴァイイでは雲に強い関心が払われていたようです。というのは、ハヴァイイ語には雲を表す言葉がたくさんあって、種類によって使い分けていたからです。
「雲」一般を指す言葉としては「アオ(ao)」があるのですが、多くの場合、「アオ」と一緒くたにはせずに、形や色によって区別して呼んでいました。
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雲の名前の例 |
アオ(ao) |
……雲一般。特に、上空を気流に乗って早く動く雲。 |
アオクー(aoku) |
……雨雲。 |
アオ・ロア(ao loa) |
……長くたなびく雲。高いところ、または遠くにある雲。層雲。 |
アオ・オーノヒ(ao 'onohi) |
……虹色をした雲。 |
オープア ('opua) |
……もくもくと立ち上った雲。積雲。 |
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